お知らせ

2021/11/29

遊びを中心とした保育


“遊びを中心とした保育”
 今年の園児募集に際し、多くの方が見学にいらっしゃいました。ホームページをご覧になった上で来園される方が多く、本園の“遊びを中心とした保育”の実際を見学されていきました。その後多くの方が入園を決めてくれました。
 “遊びを中心とした保育”は、国の決めている保育の基準です。私たちはその基準に則って忠実に保育しています。乳幼児期の子どもは、遊びや生活を通して育っていきます。遊びの中にはさまざまな気づきや学びが期待されますので、本園のように豊富な遊具や材料の提供と保育者の適切な援助により、深い学びとなっていきます。特に大切にしているのは、子どもが「どのように遊んでいるか」です。乏しい遊具の中や短い時間の中で遊ぶことも遊びというかもしれませんが、私たちはそれを“遊び”とは思いません。先生が一方的に課題を提示してそれを子どもがこなすような保育も違うと思います(特に製作活動に見られます)。常に子どもの自発性と主体性があって展開されるものを“遊び”と捉えているのです。
 先日他園の保育をオンラインで見る機会がありました。“せんせいおはようみなさん♪”で朝の会が始まり、“今日は○月○日お天気は○○、お休みは○○さんです”。そして先生が「今日は体育の授業をします」と言うのです。現場の保育者がいかに学んでいないのかを知り、切なくなりました。30年以上前の昭和の終わり頃、上記のような保育が蔓延し、国は改めて遊びとそれを支える保育環境の重視を保育の基準としました。にもかかわらず実態はこの有様です。
 保護者にも乳幼児期の学びの特性が伝わっていないとも言えます。それはいまだに習い事的なことを取り入れている保育施設に一定程度の人気があるからです。乳幼児期の健全な育ちを守るのは保護者と保育施設だと思います。本園に入園された子どもたちには乳幼児期らしい育ち方と学び方をできるように精一杯頑張ろうと思います。     園長 吉田耕一郎

2021/10/28

センス・オブ・ワンダー


 釧路の園長先生がレイチェル・カーソンの表題の本を私の参加している研究会で紹介され、しばらくぶりに読み直しています。自分の保育観の拠り所を確認したくなったからでもあります。

10月は園児募集の時期で多くの入園希望者の方が見学にいらっしゃいました。私なりに一人ひとりに丁寧に園舎の説明をしたり、保育の考え方を説明したりしています。殆どの方はホームページを見られており、“子ども中心”“遊びを大切にした保育”に共感されての見学ですので、できるだけその実態を伝えるようにしています。

そんな時、根拠となる保育(教育)観や発達観に基づいてお話しさせていただいています。それは、本書の言葉を借りれば、「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。」という子ども観です。その子ども観を実現するためには、豊かな環境(自然、遊具、材料)が必要だというのが私たちの保育観です。また、『生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。』ともあり、感性豊かな保育者の存在がとても重要であるというのが保育者観です。乳幼児期に関わる保育者は、共に感じ合える存在なのです。教えることには極めて控えめであることが肝要だと思うのです。「消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうがどんなにたいせつであるかわかりません。」

確かに幼児期後半になると、知識を求める力も徐々についてきますが、あわてずにしっかりと知識を生み出す土壌を耕してやりたいと思うのです。

『わたしは、子どもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。』という主張に共感しています。                     園長 吉田耕一郎

(センス・オブ・ワンダー レイチェル・カーソン著 上遠恵子訳 新潮社)

2021/09/29

VUCAとエージェンシー

教育の世界では、国際機関のOECDが来るべき2030年に向けて、教育の姿をデザインしています。その背景にあるのは、VUCAと言われる今の時代の特徴がさらに増大していくというものです。さてVUCAとは?それは不安定さ、不確実性、複雑さ、曖昧さがますます加速する世界のことです。世界的に見た人口の爆発的な増加、移民の増加、自然災害の増加、さまざまな国の不安定な内政、AIと言われる人工知能の急速な発展など、すでに身の回りで起こっている事態が今後、急速に拡大していくという予測なのです。

そんな時代を生き抜くための能力がエージェンシーと言われています。さまざまな知識を総動員して、仲間と協調しながら、難題に立ち向かい、変革していく能力とも言えます。いわゆる知識だけで対応できる世界ではないのです。

2017年に幼稚園をはじめ、小学校などの学校の教育の根幹が変わり、そこに通底しているのはOECDの教育改革プログラム(OECD Education2030 プロジェクト)です。個人・社会のウエルビーイング(心身ともに健康に過ごすこと)を目標にしたもので、日本では、3つの資質・能力(コンピテンシー)を育むこととなっているのです(知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、学びに向かう力や人間性等)。

幼稚園の遊びはまさにエージェンシーを育てているとも言えます。例えばままごと遊び。自分の生活経験(知識)を道具で表現する(技能)、そのイメージを仲間と工夫する(思考力等)、そして共有する(人間性等)。

少なくとも2030年を生き抜ける大人に育てたいと願っているのです。 園長 吉田耕一郎

※エージェンシーの定義「変化を起こすために、自分で目標を設定し、振り返り、責任を持って行動する能力(多様な能力の集合体)」


2021/08/30

収穫の秋!

残暑も感じますが、同時に秋の気配も感じる頃となってきました。

さて、幼稚園では春からさまざまな栽培物を育ててきました。畑おこしに始まり、種まきや苗植え、水やり、草取りと関わり、成長の様子を間近でみたり、写真で知らせたりしてきました。

そして収穫。夏休み前にはレタスやきゅうり、ピーマンを収穫しました。夏休み明けには、ミニトマト、ユスラウメ、木苺、大根も収穫して食べました。

そんな収穫も遂に最終章のジャガイモ、とうきびの収穫時期となりました。

収穫した栽培物はさまざまに調理して食べていますが、ジャガイモもふかしいもやカレーなどにして食べて行こうと思います。

また今年も畑や花壇の草取りに保護者の皆さんのお力をお借りすることができ、ありがとうございました。

栽培・収穫は実体験としてとても重要な経験となることでしょうし、小学校以降の学びの芽になってくれることと思います。


2021/08/17

園庭大改造中!

私の2歳になる孫は神奈川県にいます。通っているのは小規模保育園という園庭のない保育園です。おそらく戸外遊びは近隣の公園に出かけているのでしょう。

それに比べて、本園は広い園庭を有し(しかも東棟も含めれば広大です)、そこでは体を存分に動かして遊んだり、砂遊び、色水遊び、おうちごっこ、固定遊具への挑戦などが毎日展開されています。

恵まれた環境ですが、新園舎5年にもなると先生方から要望が出てくるようになりました。夏の熱い日差しを避ける場所が少ないということと、池の改造です。そこで、砂場(2箇所)に藤棚を作りました。すぐには日陰はできないでしょうが数年かけて半自然の日陰ができることでしょう。また東屋(北海道の厳しい気候風土に耐えられるようにと堅牢なカーポート)も作っています。

池はいったん砂や土、砂利を総ざらいし、新たに生物が生息できるような池(ビオトープ)にしようと考えています。

このように改造していますが、作り込み過ぎないようにと注意しています。子どもが様々な使い方ができるような環境にしておきたいのです。むしろ私が意図しない遊びが生まれるような環境がいいと思っています。

新学期、また新たな発想が引き出され、遊びが活発に展開して欲しいと思っています。

2021/07/19

遊びを振り返って、さらに深める

こどもたちは、水を使った遊びが大好きです。砂場で水を溜めて“足湯”に見立てて遊んだり、土と水を混ぜて“コーヒー”に見立てたり、泥団子を作ったりします。中でも色水遊びも大好きな遊びの一つです。水の中に花びらを入れて、混ぜたり潰したりして色を出す遊びです。出来た色水はジュースに見立てて遊ぶ場合もあります。

年中うさぎ組のみさきちゃんは、色の変化を探求していました。毎日確かめ、色が変化していく様を楽しんでいました。“変化”という科学的な作用に気づいた事は大きな成長です。きっと年長になったら、“どうして変化したのか”ということを目的にして実験的な遊びをするような子になるかもしれませんね。

さて、この時に重要なのは教師の見取りと援助です。みく先生とみな先生はみさきちゃんの遊びを見逃さず、写真記録に残すことを提案しています。流れていく遊びを写真に残していくことで、“見える化”したのです。

私は、この幼稚園を作り整備していく中で、水遊びの大好きな子どもたちのために水道の蛇口を複数箇所作りました。花びらを使った色水遊びが豊かにできるようにしたいという先生方の提案で専用の花壇も作っています。

そして、子どもの気づきや学びを深められるような援助のできる先生になってほしいと願い、研究や研修を促しています。

この相互作用がさらに進展し、より深い遊びを経験できるようにしていきたいと思っています。


2021/06/28

栽培を失敗した時に〜失敗体験を生かす

本園では広い園庭や畑を活かして、さまざまな物を育て、子どもたちに実体験を得られるようにしています。幼稚園の裏の畑では、ジャガイモ、とうきび、枝豆、大根を栽培しています。園庭の花壇では、色水遊びに適した数種類の花を栽培しています。ビニールハウスでは、きゅうり、レタス、キャベツ、トマト、ピーマンを栽培しています。レタスやきゅうりは既に子どもたちと収穫し、できるだけ生で食べる体験をしています。また先週の金曜日にはピーマンも収穫できるようになり子どもたちと食べたところ、「苦いね」などの感想とともにこれからの収穫に期待していたところです。

そんな矢先の出来事でした。先週の土曜日、最高気温31℃の日にビニールハウスの換気を担当の先生が忘れてしましました。夕方に見てみると、キャベツ、レタス、ピーマンは全滅、トマトは若干生き残っているという惨状となってしまいました。

こんな時、どうしたら良いのでしょうか。子どもたちに見せずにさっさと片付けることもできますが、私たちは、その惨状も見せたいと思います。

温度管理の重要性、水やりの重要性など生き物を育てることの難しさを伝えたいと思います。教育は成功体験も大切ですが失敗体験から学ぶことも多くあると思うのです。


2021/05/27

遊びと生活


幼稚園で過ごす子どもたちは、“遊び”という時間と“生活”という時間を経験しています。“遊び”とは自らの興味関心に沿って自発的に取り組んでいることです。砂をコップに入れたり、ご馳走に見立てたり、ごっこ遊びや登り棒などの固定遊具に挑戦したりしていることなどです。幼稚園にいる時間の大半が(特に本園では8割以上が)、遊びの時間ということになります。

一方“生活”とは、片付け、身支度、うがいや手洗い、昼食などに取り組んでいることです。

“遊び”と“生活”、どちらも幼児期に十分に経験しなければいけないことだと思っています。自発的な“遊び”は、知識や思考力、仲間との協調生、学ぶ意欲などを育む大切な営みです。“生活”は衣食住に関わる基本的な習慣を身につける大切な営みです。

下の写真のように、“遊び”と“生活”が混在することもあります。石鹸の泡づくりの後、片付けという“生活”を経験しつつ、洗うとさらに泡が広かっていくということや水が白く濁っていくことなどの“遊び”=学びを経験しているのです。

今日も、逞しく遊びそして生活している子どもたち。昨日よりも一歩成長していけるように、私たちの保育はなされているのかを振り返ることの重要性もまた感じるのです。    


2021/04/28

そろそろ春 子どもたちも落ち着いてきました

子どもたちは、進級・新入で、環境や先生に慣れるのに時間を要するものです。特に新入の子どもにとっては、そこそこ高い成長のハードルを越えようとしていた4月でした。朝泣くことで親離れと言う成長のハードルを越えようと頑張っていた子、生活の流れに自分を合わせていくという成長のハードルを越えようと先生の声かけを理解しようと頑張っていた子など、さまざまな姿を見せてくれていました。一方で進級の子達は、進級したことに喜びを感じ、3月末と変わらず、積極的に遊びを展開している姿が随所に見られました。私たちは、新入の子と進級の子の、生活への慣れの差を一人ひとりに“寄り添い”ながら解消していきたいと考えています。

“寄り添う”と言う姿勢を今年は大切にしていきたいと思っています。先生が一方的に子どもの行動をコントロールしたり、保育内容を決めてしまわないようにしたりしていきたいと思います。子どもの行動の意味を理解しようと努力したり、子どもと共に保育を作り上げようとしたりする姿勢を大切にするということです。

実はこのような態度で保育することは、専門職の私たちにとっても大変難しいものです。例えば、決められた片付け時間になっても遊び続ける子に、どのようにして切り上げのタイミングを身につけさせていくかは、さまざまなアプローチをしながら、一人ひとりにフィットした援助をしなければいけないのです。

6年なり3年なりの時間をかけて育てていくという見通しが明確にあっての保育なのです。今できないことを今解消させることではなくて、子どもと共に、小さな一歩を踏みしめながら進めていくことなのです。

5月また一段と成長していく子どもたちを楽しみにしていきたいと思います。


2021/04/02

入園・進級おめでとうございます

ご家族の皆様にあっては、お子さんの入園・進級という成長の節目を迎え、お喜びのことと思います。特に入園は喜びもひとしおかと思います。

同時にお子さんが本園の生活に馴染んでいくか不安もあろうかと思います。

進級する子どもたちにあっては、進級に伴う不安を軽減するために、年度末の3月に新年度のクラス・担任を発表し、新しいクラスで集まったり、新しく使う場所に子ども自身が所持品を移動したりしました。きっと不安は少なく安定して過ごし始めると思いますので、安心して送り出してください。

また新入園児に関しましても、一人ひとりのお子さんの様子を把握させていただいておりますので、入園当初の不安感が少なくなるように担任がしっかり寄り添って保育をしていこうと考えています。同時に本園の遊びのリーダーである進級児が優しく接してくれて過ごすことと思います。保護者にとっても初めての子離れとなり、不安と寂しさが入り混じっていることと思います。入園は親子にとって成長の節目ともなりますので、乗り越えていってください。そして、どうぞご心配なく送り出してください。

本園では、多くの教職員によってお子さんを教育・保育していきます。幼児期の育ちや学びは、遊びを通して行われます。自発的な遊びを中心とした保育を大切にして取り組んでいきます。教師の適切な援助(指導)のもと、深い遊び(学び)になるようにしていきます。

新入園児も進級児も、家庭での暖かい子育てのもと、本園では受容的・応答的な関わりをする教職員に支えられながら、本園の遊具・材料・環境に自発的主体的に関わる中で、確実に成長していけるようにしていきたいと考えています。

保護者の皆様、どうぞよろしくお願いします。