これからを生きる力の土台づくり
「この子は、将来どんな大人になるのだろう」
子育てをしていると、ふとそんな思いがよぎりますよね。
最近は、AIや自動化、働き方の変化など、社会が大きく動いていることを感じる場面も増えました。
「今ある仕事は、この先も続くのだろうか」
そんな不安の声を耳にすることもあります。
今回は、社会が変わる時代に、幼児期にすべきことについて、
園の考えをお伝えします。
仕事は「無くなる・残る」ではなく「変わっていく」
よく、「この仕事は無くなる」「この仕事は残る」と言われます。
けれど実際には、多くの仕事は突然無くなるのではなく、形を変えていくのが現実です。
決まった手順を正確に繰り返す仕事は、機械やAIが得意になっていきます。
一方で、人と関わり、状況を見て考え、判断する力は、これからも人に求められ続けます。
つまり、職業の名前よりも、その中で求められる力が変わっていく、ということです。
幼児期は「将来の準備」ではありません
こうした話をすると、「では、幼稚園から何か特別な勉強が必要なのでは」と思われるかもしれません。
しかし、園が考えている幼児期の役割は、将来のための早期教育ではありません。
幼児期は、人生の準備期間ではなく、土台をつくる時期です。
うまくいかない経験をすること。友だちと気持ちがすれ違うこと。
それでも、もう一度やってみること。
こうした日常の中で、目には見えにくいけれど、
とても大切な力が育っています。
園が大切にしている二つの力
園では特に、次の二つの力を大切にしています。
一つは、レジリエンス。失敗したり、思い通りにいかなかったりしたときに、
気持ちを立て直し、また前を向く力です。
もう一つは、エージェンシー。
困難な状況におかれたときに、自分であるいは仲間とともに、
最適な解決策を見出す力です。
これらは、どんな仕事に就くかに関わらず、
変化のある社会を生きていくための土台になります。
幼稚園は「小さな社会」
幼稚園は、子どもたちにとって初めての「社会」です。
思い通りにならないことがあり、人と折り合いをつける必要があり、
助けたり、助けられたりしながら過ごします。
ここでの経験は、将来の社会生活の縮図でもあります。
園ではこれからも、目先の成果ではなく、
長い人生を支える力を大切に育てていきたいと考えています。
おわりに
社会は変わり続けます。しかし、変化の中でも必要とされる力には、共通点があります。
幼児期に育つ「立ち直る力」「最適解を見出そうとする力」は、
時代が変わっても、子どもたちを支え続けます。
園は、子どもたちの「今」を大切にしながら、
その先につながる育ちを、静かに支えていきたいと思います。
園長 吉田耕一郎