― 食事中のゲーム依存を制止できないということ ―
親子で外食をしている場面を見かけると、食事が運ばれてくるまでの時間や、食後のひとときに、 子どもがゲーム機やスマートフォンに夢中になっている姿を目にすることがあります。
忙しい毎日の中で「静かにしていてほしい」という思いは、どの家庭にもある自然な気持ちです。 子育ての大変さを知る者として、その思いに寄り添いたいとも感じます。
食卓という大切な時間
しかし、食卓は本来、親子が向き合い、言葉を交わし、心を通わせる大切な時間です。
「今日どうだった?」「これ、おいしいね」といった何気ない会話の積み重ねが、 子どもの安心感や自己肯定感を育て、親子の関係を豊かにしていきます。
その時間が、気づかぬうちにゲームに置き換わってしまうとしたら、 私たちは大切な“育ちの機会”を失ってしまうかもしれません。
「待つこと」も大切な経験
また、食事を待つ時間に退屈を感じること、思い通りにいかずに気持ちが揺れること、 周囲の人に配慮しながら過ごすこと――これらは、 子どもが社会の一員として育っていくために欠かせない経験です。
節度を育てるということ
もし、子どもが食事中にゲームを手放せなくなっているのだとしたら、 それは単なるマナーの問題ではなく、 親が子どもの衝動を受け止め、節度を伝える役割を果たしきれなくなっているサインでもあります。
節度とは、子どもが自分の気持ちを整え、 周囲と調和しながら生きていくための力です。
これは、親が日々の生活の中で 「今はやめようね」「待つ時間も一緒に楽しもうね」と、 丁寧に伝え続けることで育まれていきます。
園としての願い
私たちの園は、子どもを真ん中に、家庭と地域と園が共に育ち合う場でありたいと願っています。
親子で向き合う食卓の時間を大切にすることは、 その理念の延長線上にあります。
おわりに
卒園・進級を迎えるこの春、 子どもたちの未来のために、私たち大人がどんな姿勢を示していくのかを、 改めて一緒に考えていけたらと思います。
今年度のご協力・ご理解、ありがとうございました。 来年度もよろしくお願いいたします。
園長 吉田耕一郎

