お知らせ

2023/06/22

インクルーシブな保育を目指して

 国連の障害者権利委員会は昨年9月、障害者権利条約に基づき、日本政府に対して障害児を分離した特別支援教育の中止などを求める勧告を発表しました。また国連は障害児と健常児が共に学ぶ「インクルーシブ教育」を掲げ、欧米などで浸透していますが、日本では十分に進んでいないと言われています。2016年4月に施行された「障害者差別解消法 (正式名称:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)」により、障害のある方々の人権が障害のない方々と同じように保障されるとともに、教育や就業、その他社会生活において平等に参加できるよう、それぞれの障害特性や困りごとに合わせて配慮(合理的配慮)を可能な限り提供することが、行政・学校・企業などの事業者に求められるようになりました。

30年ほど前、北海道の福祉施設の方たちとデンマークの福祉施設を視察してきました。当時からノーマライゼーション先進国としてのデンマークでは、障がい者の人権がしっかりと根付き、社会参加も進んでいて、日本との違いを痛感した記憶があります。
30年後の今、私たちの住む日本は、デンマークに追いついているのでしょうか。障がい者施設における虐待事件などを聞く限りではまだまだだという感を持ちます。

北見北光幼稚園はどうでしょうか。特別な支援の必要なお子さんが、そうではないお子さんと共に育ち合う状況になっているでしょうか。まだ特別な支援の必要なお子さんを集団に組み入れようとするベクトルが強いのではないでしょうか。集団を特別な支援の必要なお子さんがいるからこそ育つというポジションにはまだなっていないように思います。

来るべき運動会を例にして説明してみますね。特別な支援の必要なお子さんは、その意思に関係なく競技に参加させるべきなのでしょうか。そのお子さんにとっての参加のスタイルを尊重すべきなのではないでしょうか。競技に参加はしなくても、その子なりの参加―友達の競技を見る、同じ場で過ごそうとする、部分的に参加するなどーが認められるべきなのではないでしょうか。しかも、その姿を他の子が理解していることが重要です。インクルーシブな保育・教育は、分離教育からは生まれづらく、共生によって達成されるということを肝に銘じながら、本園の教育・保育の根幹にしていきたいと思います。

園長 吉田耕一郎