例えば、運動会。教師主導で作られた運動会は、運動会当日をもって、教師側も子ども側も全て終了し、その後に運動会競技に取り組む姿はほとんど見られません。中には、運動会競技の用具を全て片付けてしまう園もあります。この終わりの感覚は、まさに教師側の感覚で、子ども側のそれとは違うと考えます。子ども主体の取り組みであればあるほど、その終わりは、子どもが決めるものです。行事の取り組みにおける“当日”はプロセスの一段階で、その後さらに取り組まれることで深い学びとなっていくと考えているのです。具体的には運動会で行った年長競技のリレーが年中さんに伝わっていったり、違う踊りへと展開していったりする姿が見られ、広がりや深まりとなるのです。
さて、今年の発表会について、年長さんの当日までとその後を紹介したいと思います。例年通り、子ども主体の行事として、子どもが作り上げるものとして援助してきました。今年は特に、全ての衣装・小道具・大道具を子どもたちが作ることとしました。特に衣装に関してはこれまで幼稚園にストックされている衣装や先生方が作るものとなっていましたが、今年は完全に子どもが作ることとしました。子どもの今ある力を発揮して、必要度に根付いた衣装作りです。素材はカラービニール袋ですので、使用や練習のたびに破損していくのですが、修繕を通して、衣装がグレードアップしていきました。そんな衣装を着用して行われた発表会が終了した時、深い感動を覚えましたし、多くの保護者の目が潤んでいました。
その後は“発表会ごっこ”と称して、役割の交代や新たな発表テーマや衣装作りに取り組んでいます。まさに幼稚園の日々を子どもたちが遊びを通して主体的に展開しつつ、遊びを広め深めることで、学びが深まっている姿だと思います。
園長 吉田耕一郎
