お知らせ

2023/11/14

生活が陶冶する ペスタロッチ


幼児期の子どもは、可塑性や柔軟性が高く、目に見えて変化成長していく時期です。どのような環境の中でも適応しようと一心に努力しているとも言えます。

近代教育の父と言われるペスタロッチは著作の中で「生活が陶冶する」という言葉を残しています。陶冶とは、(陶器を造ることと、鋳物を鋳ることから)人間の持って生まれた性質を円満完全に発達させること、人材を薫陶養成すること、という意味がありますから、「生活が陶冶する」とは、生活そのものが人間を発達させるということを意味します。まず母親との生活の中で教育が行われ、徐々に広がっていく生活範囲や人間関係、社会生活等、生活そのものが人間を成長させると述べているのです。やみくもに生活をしていればいいというものではなく、それは子どもにとって教育的な生活でなくてはならないと言えるのです。また「直感教授」も提唱しています。直観教授とは、子どもの経験や自発性を重んじ、実物や絵画・模型・写真などを用い、感覚に訴え学習の促進を図る教授方法のことです。総じて子どもの直観や自発性を大切にした思想は、日本の教育にも受け継がれているのです。

ただ、幼児教育に携わっていて、幼児期の子どもは与えられる環境によってどのようにでも適応することに怖さを感じています。文頭でどのような環境の中でもと表記したのは、貧しい教育環境・生活環境の中ではそれなりにしか成長しませんし、教師主導型の昭和の保育のような中にあっても適応してしまうのです。

やはり、豊かな遊具や材料に囲まれ、主体的・自発的に生活できる時間と環境が保障され、豊かな感性を持った先生の援助が、幼児教育の本質なのだと思うのです。私たちは幼稚園での生活を常に振り返りながら、保護者の方は日々の生活を振り返りながら、子どもらしく豊かに成長発達できるようにしていきたいですね。                     

園長 吉田耕一郎